赤穂の塩

赤穂で塩づくりが始まったのは、約1800年前の弥生時代終わり頃とされています。堂山(どやま)遺跡(赤穗市大津・塩屋)などから製塩土器が出土していますが、生産量は極めて少なかったと考えられています。それが奈良~平安時代には、塩づくりをする荘園に発展。鎌倉時代中期頃(13世紀後半)には、雨が少ない気候と大きな干潮差、遠浅の海と瀬戸内海独特の気候や地形を利用した「古式入浜塩田」が開発されたと言われています。

池田家の所領であった江戸時代初期頃まで、製塩は古式入浜塩田で行われていました。その後、上流でのたたら製鉄などによって、千種川に運ばれてきた大量の土砂が河口付近に堆積、広大な砂浜を形作るようになりました。この地形を利用した手法が「入浜塩田」です。赤穂浅野家の初代藩主・浅野長直の時代、強固な石積みの堤防を築き、海水の出入りを調節できるようになったことなどから、自然任せだった塩の生産量は格段に上がり、赤穂藩の一大産業に成長。千種川の東浜約150ヘクタールを、浅野家に代わり藩主となった森家が西浜約250ヘクタールをそれぞれ干拓、広大な塩田地帯を形成しました。

 入浜塩田は瀬戸内各地をはじめ、仙台や熊本、天草、鹿児島などにも伝わりました。なかでも瀬戸内沿岸は、十州塩田(播磨、備前、備中、備後、安芸、周防、長門、讃岐、阿波、伊予)と呼ばれた一大産地となり、元禄の頃からは全国の塩生産の8~9割を占めるまでになりました。

 約300年にわたって行われていた入浜塩田による製塩は1955(昭和30)年頃から流下式、1972(昭和47)年からはイオン交換樹脂膜法による工場製造に移行。広大な塩田は姿を消しましたが、今も塩づくりは連綿と続いており、2019(令和元)年、『「日本第一」の塩を産したまち 播州赤穂』のストーリーが日本遺産に認定されています。


赤穂市立歴史博物館


1989(平成元)年にオープン。立地が赤穂城の米蔵跡だったことにちなんだ、白壁の土蔵風建物が目を引きます。館内は四つのコーナーに分かれ、1階は国指定重要有形民俗文化財の製塩用具などを展示した「赤穂の塩」。2階が絵図や出土遺物などで紹介する「赤穂の城と城下町」、吉良邸討ち入りを史実と文化的側面から解説する「赤穂義士」、江戸時代の人々の生活を支えた「旧赤穂上水道」に分かれています。年に1、2回、特別展・企画展も開催しています。 

赤穂市上仮屋916‐1
0791‐43‐4600
高校生以上 200円 中・小学生 100円
開館時間9:00~17:00
休館日 毎週水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始


赤穂市立民俗資料館


 塩専売法が1905(明治38)年に施行されたのを受け、1908(明治41)年6月に大蔵省塩務局の庁舎として建てられました。現存する塩務局庁舎としては国内最古。明治建築史上においても価値の高い建造物で、県重要有形文化財に指定されています。1983(昭和58)年に民俗資料館としてリニューアル。地元で使われた日用品など様々な民俗資料を収蔵・展示しています。

赤穗市加里屋805‐2
0791‐42‐1361
高校生以上 100円  中・小学生 50円
開館時間 9:00~17:00

休館日 毎週水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始



赤穂市立海洋科学館・塩の国


「瀬戸内海と塩」をメインテーマに「塩のギャラリー」「赤穂を知ろう」「海へのいざない」「海を知ろう」の四つのゾーンがあり、実物標本や模型などさまざまな資料を展示。施設に隣接する「塩の国」は、かつての製塩技術を復元したスケールの大きな野外展示になっています。科学館入館者には、塩づくりを無料で体験してもらうこともできます。

赤穂市御崎1891‐4
0791‐43‐4192
9:00~16:30
高校生以上 200円 小・中学生 100円
休館日 毎週火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始



塩味饅頭

江戸時代から続く赤穂の銘菓。宮家や将軍家にも献上されたとも伝えられています。掌に乗る大きさで、見た目は真っ白。寒梅粉でできた落雁風の皮で、こし餡を包んでいます。甘しょっぱい独特の風味で、癖になる美味しさ。お店によって抹茶やきな粉、梅味などもあります。


赤穂城跡


赤穂城は1661(寛文元)年、浅野長直が海に面した平城として完成させました。明治以降、門や櫓などの建物が解体されたり、本丸跡に学校が建設されたりしたこともありましたが、昭和に入って修復・保存の機運が高まり、修復工事が着実に進んでいます。1971(昭和46)年に国史跡に、2005(平成17)年には「日本100名城」にそれぞれ選ばれるなどしています。


赤穂大石神社


江戸時代は幕府の手前、赤穂義士を祀ることはできませんでしたが、明治天皇の理解を得て1912(大正元)年11月、創建されました。参道には大石良雄(通称・内蔵助)ら四十七義士の石像がズラリと並びます。神社・義士史料館(義士宝物殿、義士宝物殿別館、義士木像奉安殿、大石邸長屋門・庭園=高校生以上450円、中学生以下無料)もあり、説明希望者は事前に連絡を。

赤穂市上仮屋131-7

0791-42-2054

拝観時間 8:30頃~(17:00閉門)

まるっと西播磨ストーリー

兵庫県西播磨地域(相生市、たつの市、赤穂市、宍粟市、太子町、上郡町、佐用町)の魅力あふれるストーリーを紹介いたします。

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