三日月藩 乃井野陣屋

〈復元された三日月藩 乃井野陣屋〉


 1697(元禄10)年、後継ぎ不在のため津山藩森家が改易されたのに伴い、分家の森長俊が今の佐用町三日月に移封され、石高1万5千石の三日月藩が誕生。以来、森家は九代続き、明治までの174年間、政治や文化の中心地として地域の繁栄につながりました。

 乃井野陣屋は志文川と角亀川が合流する地点、乃井野の集落で御殿山の南麓に陣屋と家臣の屋敷を造営しました。

 整備された物見櫓は、江戸時代の建築物で、現存する陣屋の物見櫓としては全国的にもまれで価値があります。

 初代藩主の長俊は風流人で、二代・長記は氏神の日岡八幡宮や菩提寺の高蔵寺を整備するなどし、学問を好んだ五代・快温は廣業館を私費で設立。九代・俊滋は演武場(調練場)を造るなど、歴代藩主はおしなべて優れ、文武にわたって業績を残しました。演武場は石垣や土塁などの一部が残っており、今は公園として整備されています。

 町が、1999(平成11)年度から2005(平成17)年度にかけて整備事業を実施。発掘調査や資料調査を基に橋や長屋門、櫓など当時の構造物の一部が再現されました。また、町外の西法寺(たつの市)に移築され、山門として使われていた表門も2017(平成29年)に陣屋の元の位置近くに再び移され、物見櫓とともに町の指定文化財となっています。

住所  兵庫県佐用郡佐用町乃井野966

【元の位置付近に戻された陣屋表門】

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